ホントの初恋
「あたし、正直学食には全く
 期待してなかった。」

琴乃は、申し訳なさそうに言った。

でもあたしだって同じだった。

「あたしも学食ってあんまり
 おいしそうなイメージ無かった。」


食べることが大好きなあたしにとって
学食は、心配事の一つだった。

毎日のご飯が楽しみになりそう。



「ふぅ、お腹いっぱい。
 ねぇ日菜ー。」

食べ終えると、琴乃がニヤニヤしながら
あたしの名前を呼ぶ。


「なに?」

不安げに聞いてみる。

「ひと泳ぎしますか!」



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