clover's mind

◇ピーマン

感慨なんて言葉を知っているような女の子なら俺の気持ちにとっくに気付いてくれてるわな……

「ほら、手伝ってよ」

 こっちの用などお構いなしで手を引っ張られる。

「なに、四つ葉のクローバーって、信じてんのか? 幸運の神様」

 俺のその言葉に驚いたような呆れたような顔をするまゆみは、

「あったりまえじゃない」

 なぜか自信たっぷりにいい捨てて腰をかがめて丁寧に、ではなく無造作に白詰草の葉をがさりごそりと掻き分けていく。

「信じる者は救われるってね、いいから探しなさいよ」

「はぁ……もうちょっとさぁ、デートらしいこととか……」

「ん? なんかいった?」

「おまえがそんな信心深い女の子だとは思わなかった、ていったんだよ」
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