clover's mind




『鳴らないって、誰かからの連絡を待ってるの?』

『う~ん。待ってるというか、こっちからかけたいというか』

『? だったらかければいいじゃない』

『無理。だって知らないもの』

『?』

『バイト先の、ね。草太って人』

『だったらバイト先に聞いてみたら? 連絡先、お店でひかえてるんでしょ?』

『うん。でもダメなの』

『どうして?』

『う~ん……。そういうのは、ね。本人から聞かないといけないと思うの。それに』

『それに?』

『草太も同じはずだし』

『どうして、わかるの?』

『そういう人だから』

『でも、もしかしたらこっそり……』

『うぅん。それはない。絶対』

『絶対?』

『うん。絶対。そういう人だから』

『そう……。じゃぁ明日その人に聞いておいたら?』

『うぅ~ん。ほほ~い、とそれができるといいんだけどなぁ~』

『できないんだ?』

『うん』

『そっかぁ』

『えへへ……』



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