clover's mind
「ふわぁ~すごい綺麗……」

 客席の声が耳に届く。

 ニヤリ。

 駄目ですよ? お嬢さん。

 私に惚れても私にはもう心に決めた女性がいますので、ふふふ。

「あ~毎度思うに、こいつを淹れるのは肩がこるなぁ……」

 カフェ・オレの注文が多いときはマスターに代わってもらうようにしている。

 俺じゃとてもじゃないが追いつきゃしないからな。

 うさんくさい髭をはやしたおっさんだが、やはり腕は特級品のようだ。

 ま、だからこそ俺はここでバイトしてるんだけど、な。
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