clover's mind
 そう。

 だから俺は日々珈琲の淹れ方を研究していて、今ここにこうしてくそ夜中に四つ葉のクローバーを探してるんだ。

 はたからみてどれだけ馬鹿馬鹿しかろうとも、それが俺の愛情表現ってやつなんだ。

「さ、てっと……」

 朝がくるにゃまだまだ時間あるか。

 黄味がかった月はあいかわらず満面の笑みを浮かべている。

 雲はその横を通り過ぎるたびに彼女にみとれているのだろうか、触れる部分を朱色に染めながら未練がましく身体を伸ばそうとする。

 けれど思ったより上は風が強いらしい。

 そんな雲の想いを一蹴して流れていっていた。

 さて、まぁ俺は脳内演説をこのくらいにして目の前のお宝探しを再開──

「ん?」

 ふと、何気なく飲み終わった缶を置いたその場所に、

「あった……」

 幸運の女神様が気を抜いたのか、それとも俺の愛の深さを思い知ったのか。

 自販機の明かりでできた缶の影から、ひょこっと。




 一輪の四つ葉のクローバーが顔を覗かせていた。

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