clover's mind
『今日ノ男はぁとキャッチング料理ハコレダ!』

『アラドゥギー、オ米ニ卵トあさつきッテズイブンしんぷるナノネ?』

『オヤオヤ、本当ニマギー君ッテヤツハ男心ッテやつヲワカッチャイナイネ』

『ドウイウコト?』

『コイツハ“風邪を引いた彼に自分の料理下手がばれないようにしつつもしっかりアピールできる簡単おかゆレシピ”ッテやつサ!!』

『ワォ! コレガアノ噂ノ!?』

 あ~確かにそれは男からしてみたら確実に胸のど真ん中を射抜かれちまう一品だわな。

 おかゆってのは料理そのものだけをみればちょっとした手間さえ惜しまなきゃ誰でも作れるもんだけれど重要なのはそのシチュエーション。

 弱ってるところにこんな気の利いた愛情を食わされて心臓を守れってのは到底無理な話だからな。

『オイオイ、俺ノせりふヲトッテモラッチャ困ルぜオマエサン』

 あぁ悪いな。

『アラアラしょんぼりネ、ドゥギー』

『しょんぼりシタあさつきト同ジクライ困ッテシマッタヨ、HAHAHAHA!』

 それは笑うところなのか?

『サァ、サッソク調理方法ヲ紹介スルゾ!』

 あ、くそ、無視しやがった。

『マズハ──』

 瞳をなぜからんらんとさせた欧米人が俺のつっこみをそっちのけで先に進もうとした、そのときだった。
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