clover's mind
「ね、ね、どう? どう?」

 わくわくという活字を背中にしょって俺にたずねてくるまゆみ。

 ど、どうといわれても。

「ん、あれ、だな。なかなか濃い目の味付けなんだな……」

「うん!

 草太なんだか鼻がつまってるみたいだったから。

 ほら、鼻がつまると味がわかりにくくなっちゃうでしょ?

 だからちょっと濃い目の味付けにしてみたの」

「そ、そうか。それは、どうも」

 なるほど。

 俺の身体の状態をわざわざ考慮してくれたわけだ。

 ふむ。

 ただ、ね。

 味付けといっても、粥は基本的に塩の調節くらいなわけで。

 つまり、塩を“たっぷりと”いれてくれたと。

 そうかそうか。

「ね、美味しい?」

「ん!? あ、あぁ、いままでに食べたことがない味だよ」

 嘘じゃぁない。

 こんな苦味のきいた塩辛粥は食べたことがない。 

 たぶん鼻がきいてたら口の中はニラ臭でいっぱいのことだろう。

 ぐふ……。
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