clover's mind
「どうしたの?」
俺はどうせ夢だからと、不意に叫び出したい衝動にかられる。
けれどえてして夢の中では声はうまく口から発せられず、もどかしさで服の胸元を強く強くつかみ何度も何度もそのひと言を声に出そうとする。
が、ダメだった。
いくら力いっぱいに叫ぼうとしてみたところでかすれ声すらも出ない。
嗚咽にも似た喉の圧迫感、ただそれだけ。
いらだちと焦りが身体中を這いずり回り、それまでどれだけ歩こうとも決して乱れることのなかった呼吸が空気を求めて必死にもがく。
(くそっ! くそっ!!)
夢のくせに思い通りにならないことに怒りの感情がふつふつと湧きあがったけれども、いくら喉をかきむしり、赤黒い衝動に身を焦がしてみたところで、なにも……なにひとつとして変化は、ない。
もしかすると“夢の中なら”という後ろ向きな気持ちを、もうひとりの自分が責めているのだろか。
(ったく……そういうことなの、か?)
だから、俺は改めて──何度思ったかしれない“それ”をまゆみに伝えようと思った。
俺はどうせ夢だからと、不意に叫び出したい衝動にかられる。
けれどえてして夢の中では声はうまく口から発せられず、もどかしさで服の胸元を強く強くつかみ何度も何度もそのひと言を声に出そうとする。
が、ダメだった。
いくら力いっぱいに叫ぼうとしてみたところでかすれ声すらも出ない。
嗚咽にも似た喉の圧迫感、ただそれだけ。
いらだちと焦りが身体中を這いずり回り、それまでどれだけ歩こうとも決して乱れることのなかった呼吸が空気を求めて必死にもがく。
(くそっ! くそっ!!)
夢のくせに思い通りにならないことに怒りの感情がふつふつと湧きあがったけれども、いくら喉をかきむしり、赤黒い衝動に身を焦がしてみたところで、なにも……なにひとつとして変化は、ない。
もしかすると“夢の中なら”という後ろ向きな気持ちを、もうひとりの自分が責めているのだろか。
(ったく……そういうことなの、か?)
だから、俺は改めて──何度思ったかしれない“それ”をまゆみに伝えようと思った。