clover's mind
あれはもう3年くらい前のことだ。
そう、一人暮らしを初めてすぐの頃。
実のところ、俺はこのバイトを始めてそんなに長くたっているわけじゃぁない。
これには理由があった。
今の店に出逢ったのは高校に上がってすぐの頃。
当時付き合っていた女の子とデートの途中にふらりと寄ったのがたまたまこの店だった。
そのときの俺はまだ珈琲という飲み物について大した興味もなく、焙煎も、ドリップも、珈琲が豆を挽いた粉から抽出されることすら知らなかった。
ただの“えぐ味”のある茶色い飲み物という認識くらいのもので、せいぜい大人ぶるためのツールくらいにしか思っていやしなかったのだ。
もちろん飲むときは砂糖をたっぷり。
ミルクは入れない。
なぜって?
そりゃ“見た目”ブラックの方が大人な感じがしてかっこいいだろう?
もちろん砂糖を入れるときは適当な会話を使って彼女の視線をそらした瞬間にこっそりと入れる。
彼女には“味も”ブラックと思わせるためだ。
その方がもっとかっこいいだろう?
──なんて。
当時の俺は本気でそんな馬鹿なことを考えていたわけだ。
飲み物だろうが食べ物だろうが、本人が一番おいしいと思う飲み方食べ方するのが一番いいに決まっている。
食事はファッションじゃぁない。
ま、俺も若かったってこったな。
そう、一人暮らしを初めてすぐの頃。
実のところ、俺はこのバイトを始めてそんなに長くたっているわけじゃぁない。
これには理由があった。
今の店に出逢ったのは高校に上がってすぐの頃。
当時付き合っていた女の子とデートの途中にふらりと寄ったのがたまたまこの店だった。
そのときの俺はまだ珈琲という飲み物について大した興味もなく、焙煎も、ドリップも、珈琲が豆を挽いた粉から抽出されることすら知らなかった。
ただの“えぐ味”のある茶色い飲み物という認識くらいのもので、せいぜい大人ぶるためのツールくらいにしか思っていやしなかったのだ。
もちろん飲むときは砂糖をたっぷり。
ミルクは入れない。
なぜって?
そりゃ“見た目”ブラックの方が大人な感じがしてかっこいいだろう?
もちろん砂糖を入れるときは適当な会話を使って彼女の視線をそらした瞬間にこっそりと入れる。
彼女には“味も”ブラックと思わせるためだ。
その方がもっとかっこいいだろう?
──なんて。
当時の俺は本気でそんな馬鹿なことを考えていたわけだ。
飲み物だろうが食べ物だろうが、本人が一番おいしいと思う飲み方食べ方するのが一番いいに決まっている。
食事はファッションじゃぁない。
ま、俺も若かったってこったな。