俺はこわくない!!
今年の参加者たちも、皆それぞれ願いを抱いているようだ。
力を求めるもの、富を求めるものーーほとんどが私欲らしい。
「ダネル?どうかした?」
気づけば、ミカが俺の顔をのぞき込んでいた。
「……ああ。なんでもない」
そう言うと、『そっか』と相づちを打って、意気揚々と宣誓しているカインに意識を移した。
ーーやはり、人混みは好かないな。
人数が多ければ多いほど、膨大な‘声’が頭に流れ込んでくる。どうにも、意識散漫になりやすい。
他人の意識を無視して、俺もカインの言葉に意識を戻す。
「ーーというわけで、だ。町は広いからな。二手に分かれようぜ」
「どう分かれます?」
「あ、じゃあ、グーパーで決めよう?」