俺はこわくない!!
ミカと並んで、町の中を探し歩く。
さすがはハロウィンタウンと言うべきか。少し奥に進むだけで誰も居なくなった。静かでいい。
「……誰もいなくなっちゃったね」
同じことを考えたらしく、ミカが声を掛けてきたが、俺と違い、感じているのは不安と恐怖感のようだ。
「怖いか?」
「……うん。ちょっとだけ」
そわそわと、辺りを見渡しては小さく身を縮こまらせている。
ハロウィンタウンの雰囲気は、人間の少女であるミカには合わないか。
「………………手を、つなぐか?」
「いいの?」
「ああ」
どんな反応をするか少し不安だったが、どうやら特に気にしていないらしい。……それはそれで少し不満だ。
左手を差し出すと、右手でつかんだ。暖かい。
「ダネルは、怖くないの?」
「オバケも、肉体がないだけの魂だからな。その気になれば、喰える」
「え、オバケも食べられちゃうんだ!」