俺はこわくない!!


 古びた家々の建ち並ぶ住宅路の先で、特別なキャンディーを見つけた。

 カラフルな包みで包まれたそれは、拳だいの大きさだ。それがてくてくとーー

「歩いてる!?」

 思った通り、とても驚いた顔で特別なキャンディーを凝視している。
 心の声など聞かずとも、ミカの感情は分かりやすい。

「特別なキャンディーだからな」

 左右に揺れながら二本の足で歩いていくキャンディーは、ふと、こちらを振り向いた。丸い大きな目が、さらに大きく開かれる。

「あ!逃げた!」

「追うぞ!」

「う、うん!」

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