俺はこわくない!!



「入るぞ」

「うん」

 手をつないで、俺が扉を開けた。
 外からのぞく限り、分かりやすく刃物や飛び道具が仕掛けてあることはなさそうだ。

 一歩、二人で足を踏み入れた。

 ーーガタンッ!

「っ!やはり罠か!」

 勢いよく、背後で扉が閉まった。恐らく、開かないだろう。

「え、えぇ!?ダネル、あれ!」

 ミカが天井を指して叫んだ。見ると、モクモクと、大きな黒い雲が現れた。ーーバチバチと、音がする。

「来い!」

 手をひいて、テーブルの下に滑り込んだ。直後、ゴロゴロゴロ!!と大きな音と共に、雷が床に落とされた。

「っ!!」

 思わず目をきつく閉じて、身を縮こまらせてしまう。
 大きな音は、昔からこわーー苦手だった。

 ーー苦手なだけだ。怖いわけではない。断じて! 


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