名無しの恋愛


「え…」


今度は楽器屋がびっくりしてる。


「さっきのピアノ…苦しかったです。すごく…」


これは本当だった。

一つ一つの音が、かき消されてしまうようだったんだ。



「へぇ…びっくりだよ」

「お互い似たもの同士ですもん」
















2人とも、叶わない恋をしている。



その思いが届くことは…ない。






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