私の彼氏様


予鈴のチャイムが鳴り、教室まで手を繋いで歩く龍と私。



「何、怒ってんの?」




ニヤニヤと笑う龍を見て、心の中で悪態を吐いた。


あぁ、龍は初めからこういう人だったと思う。


友達はみんな、『九条くんが彼氏?九条くんは目の保養だよ』とか『九条くん女癖悪いから恋愛対象はない』とかが多い。



「香華、聞いてんの?」



ハッとして上を見上げると龍が不思議そうな顔をしていた。



「祭りどうする?」



ニヤリと笑う龍。

私に選択肢が3つある。

①家で大人しく留守番。

②二人だけで行く。

③一緒に行く。


①はいや、②は無理がある。③しかないか…。



「行く!」



すぐにチャイムが鳴り、教室に駆け込んだ。



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