私の彼氏様



「香華」



後ろから声が聞こえて、後ろを振り向くと龍は紙を渡してきた。

開くと思わず笑ってしまった。


そこには龍らしい絵心のない担任がフィギアに頬ずりしている絵とでかい文字で『2年B組松崎の趣味』と書かれて、色ペンで横に小さく『萌え系フィギア集め』と書いていた。


ここの席、成績落ちそう…。後ろに気が行く…



「はいよ~」


前からきたプリントを龍に廻そうとして、後ろを振り向く。

振り向くと龍の手が私の口元をなぞる、手を龍が舐める。



「甘…、なんか食った?」



今さっきの龍の行動に赤面する。



「チョコ…貰ったから…///」



左手を口元に当てる私に龍は私からプリントを奪う。

気のせいかな、龍が少し顔が赤いような気がする。



「龍…、「朝比奈ぁ!前向け!」」



担任の怒鳴り声に慌てて前を向く私に後ろからクスクスと笑い声が聞こえる。



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