私の彼氏様



「龍…!」



無意識に呼び止めてしまった、話すことなんて何もないのに。

ただ、なんとなく龍と一緒に居たいなと思っただけ。



「ん?」



普段は微笑んで『ん?』なんて言わないくせに。

いつもと違う口調はなんか緊張する。



「部活、頑張って!」



咄嗟に口から出た言葉、龍は気がついたんだと思う。



「誰だと思ってんの」




若干顔は赤いけど龍はニヤリと笑い、そう言った。



「香華、バイバイ」


友達の奈美(なみ)に手を振り、図書室へ向かう。


しばらく本を読んで、外に目を向けると龍が所属してるサッカー部が見える。



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