私の彼氏様
龍を見つけると、自然と外に走っていた。
「すご……」
まさに絶句、もちろんサッカーのルールなんて知らないけどみんな楽しそうに走っている。
龍を見つけると同時に龍も私を見つける。
すぐに休憩が入、龍が私のところに急いで走ってくる。
「香華ちゃ~ん、どうしたの?」
付き合って二ヶ月、龍のことは大体わかってきた。
からかってくる時、龍はちゃん付けで呼んでくる。
龍のニヤけた顔に後ろから龍の友達の知捺(ちなつ)くんが龍に膝カックンをする。
「香華ちゃん、よっ!!」
知捺くんは爽やか青年みたいな感じで見た目ミステリアスな龍と接点がわからない。
元気よく挨拶?してくる知捺くんに軽くお辞儀した。
「こんにちは?あれ?こんばんは?まぁ、それです。はい」
この時間帯ってちょうど微妙なんだよね。
クスクスと笑いを堪える知捺くんと龍。
「大丈夫だよ、次があるから」
必死に笑いを堪えながら知捺くんが慰めてくれるけど、なんだろう…この敗北感……。とただ眉を寄せる。