チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~
第三章
真実
……………
いつもの日常に戻った。
適当に学校に行って、知恵達と騒いで、家では存在を消して、たまに、佐倉さんに抱かれて。
そしてマモルもまた、あたしの日常のひとつに戻る。
でもあのバイト以来、あたしの中のマモルは少しずつ形を変えていた。
なんだか、友達がこっそり書きためてるポエムをつい見てしまった時の様な罪悪感。
いや、罪悪感とは少し違う。
それよりもっとクリアで、それでいて少し急かされる様なそんな気持ち。
マモルは知らない。
あたしが"サクラ"さんに会ったこと。
そして、マモルの知らない"サクラ"さんを知ってることを。
そう思うと、なんとも形容しがたい気持ちに押し潰されそうになり、前みたいに気軽に通話ボタンを押せなくなった。
それでもマモルは相変わらず優しかったし、相変わらずあたしの変化に気付かないふりをしてくれていた。
あたしはそんなマモルの気遣いに甘えて、その気遣いを気付かないふりに徹する。
今まであたし達の間にはそんな計算とか隠し事とかはなかったのに、あれ以来そんな水面下の小さな誤魔化しあいが増えた。
少しずつ変わっていく。人の気持ちも、それを取り巻く現実も。
いつもの日常に戻った。
適当に学校に行って、知恵達と騒いで、家では存在を消して、たまに、佐倉さんに抱かれて。
そしてマモルもまた、あたしの日常のひとつに戻る。
でもあのバイト以来、あたしの中のマモルは少しずつ形を変えていた。
なんだか、友達がこっそり書きためてるポエムをつい見てしまった時の様な罪悪感。
いや、罪悪感とは少し違う。
それよりもっとクリアで、それでいて少し急かされる様なそんな気持ち。
マモルは知らない。
あたしが"サクラ"さんに会ったこと。
そして、マモルの知らない"サクラ"さんを知ってることを。
そう思うと、なんとも形容しがたい気持ちに押し潰されそうになり、前みたいに気軽に通話ボタンを押せなくなった。
それでもマモルは相変わらず優しかったし、相変わらずあたしの変化に気付かないふりをしてくれていた。
あたしはそんなマモルの気遣いに甘えて、その気遣いを気付かないふりに徹する。
今まであたし達の間にはそんな計算とか隠し事とかはなかったのに、あれ以来そんな水面下の小さな誤魔化しあいが増えた。
少しずつ変わっていく。人の気持ちも、それを取り巻く現実も。