チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~

……………

「ストーカー!?」

驚いた知恵が、手に持ったてりやきバーガーを落としかけた。
寸でのところで持ちこたえたが、てりやきバーガーに挟まったキャベツが、ボトリとトレーの上に落ちる。

あたしは「あ~あ」と紙ナプキンでそれを包むが、当の本人はそんなことを気にする訳でもなく、あたしに向かって聞いてきた。

「え、いつから?」
「いつから…いつからだろ?なんか、気付いたらおかしいなぁって」
「何か盗まれたりした?イタ電とか、気味悪いメールとかは?」
「あ、そんなのは全然。ただ、たまにつけられたり、変に視線感じたり…その程度だよ」

「その程度って!バカにしちゃダメじゃん」とあたしを一喝する知恵。あたしより、知恵の方が事を重大に捉えていた。

でも本当に被害があるわけでもなく、ただ単に気持ち悪いと思うだけだ。そんな気分を、被害にあったと言うのだろうか。

とにかくここ最近、あたしは俗に言うストーカー的な行為を受けていた。

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