チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~

誰かに言わせれば、あたしがしがみついてきた愛は間違いだったのかもしれない。

他の誰かに言わせれば、マモルの下した決断も間違ってたのかもしれない。


でも、それでもあたし達は愛してた。

精一杯、未熟な心で相手を想ってた。

例えそれが間違いだって言われたとしても、それでもあたし達にとってはたったひとつの真実で。


本当の愛なんてわからない。

存在するのかさえあたしは知らない。


それでもあの頃のどうしようもない日々が、意味のない日々だったなんて思わないから。

咲かなかったけど、実のままで終わっちゃったけど、それでもそれは甘くて、少しだけ酸っぱくて。


大丈夫。次はきっと咲かせてみせる。

咲かなかったチェリーが、きっとあたしを強くしてくれたから。


だから大丈夫。


歩いていける。



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