女装系男子。

…この声、さっきの…



「ねぇ、和華さん、一時間目休みトイレにいたよね?」



「っ!」



見られてたんだ…!



「大丈夫、何もしないから、正直に言って」



「い…いまひは…」



いました、と言ったのがわかったらしく手を離してくれた



それでも両手は握られ、逃げるのは無理そうだった



「絶対、誰にも言わない?…てか、状況理解してる?」



「えっと…若林瑞希さんは男なんですか?」



「そう思う?」



中性的な声、綺麗な風貌…端から見たら完全に女子だ



けど、口を押さえられた時の力とこの手を握る力は女子ではない



「男なんですね…?」



「うん、」



若林瑞希は冷たく笑っていた



「何で女子高に…」



「仕事だから」



そう言うと若林瑞希は壁に私を追いやり顔を近付けてきた



「誰にも言わないって約束できる?」



「…は…はい」



綺麗な目に見詰められ、何故か緊張した



「言ったら、どうなるかわかってる?」



若林瑞希は私の耳を軽く噛んだ



「いっ…」



「じゃあ、また教室でね?」



< 6 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop