愛されない月姫
「瑠璃ちゃんて本当に可愛いね。なんか秘訣でもあるの?」

「べつにそんなことないよ沙希の方がずっと可愛いよ」

瑠璃は顔が引きつっているけど紗季は気づいてないみたいだ。

「ねえ、今度みんなで遊びに行こうよ」

「うん、予定が合えばね」

「約束だよ」

そんな二人のやりとりを見ながら内心ハラハラしていた。
とても嫌な予感がする
「あ、折角なら玲くんたちも誘おうよ。みんなで行ったほうが楽しいよ」

やっぱり嫌な予感は当たる、もし私たちで遊びに行ったら玲と沙希が仲良くしてしまうのはすぐに想像できる。

そうしたら、また諦めた心が揺れ動いて悲しくなる。

もう、次に悲しくなったら、立ち直れないくらい私は玲が好きなんだと思う。

もうそこまでは自覚している。

でも、紗季に勝つほど自分が可愛くないことはわかっている。

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