愛されない月姫
『愛菜』

「じゃあ、おねえちゃんと瑠璃ちゃんはこのまま用事があるんでしょ」

「うん」

「じゃあここでばいばいだね。おねえちゃん帰りは遅くならないように気をつけてね。」

「うん」

「ばいばい」

沙希は思いのほか仕掛けては来なくてそのまま家の中に入っていった。
「沙希思いのほか何も言ってこなかったね」

私たちはそのまま家から離れて倉庫に歩いていきながら話した。

「そうだね、私結構意外だったよ」

「それじゃあ気お取り直して倉庫にいきますか。」
瑠璃の元気な掛け声に私は
「おーーー」
と元気よく答え二人で歩いて行った。






私はこの時久しぶりに倉庫に行くことが楽しみで忘れていた、沙希の本当の狙いが私ではなく玲との約束を私係留で取り付けることだったことに。

そして私がそれによってまた後悔することになるのをこの時の私は知るよしもなかった。

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