【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
結局お言葉に甘えて

衣服を脱いだ私は

バスルームに足を踏み入れ

シャワーを浴びた。

…やっぱり凄いなぁ。

リビングも広ければ

私のアパートのバスルームとは

比べ物にならないほど

バスルームまで広かった。

鏡をジッと見た。

寒い中を無我夢中で走ったし

涙が枯れるくらい泣いてばかりで

鏡に映った私の顔は酷かった。

…恥ずかしい。

こんな顔を氷室部長に見られた。

正直カラダも冷え冷えして

痛くなっていた足に

若干の靴擦れが出来ていた。

…温かくて気持ちいい。

メイクも落としてしまい

目がピリピリ痛むけど

全身が温かくなってサッパリした。

タオルドライした髪を

ドライヤーで乾かして

バッグから下着と

ルームウエアを出して着替えた。


氷室部長の自宅とバスルームに

初めて入るのに…なぜなのかな。

なぜか違和感を感じない自分がいる。

さっきまであんなに泣いてたのに

なぜか落ち着いてしまっている

自分がいるなんて。


それよりも

部長は彼女はいないのかな?

私がいてて大丈夫なのかな?

こうして、バスルームまで借りて

甘えちゃっていいのかな?

それ以前に私…。

氷室部長に抱きついて泣いちゃった。

何て事しちゃったんだろう…。

思考回路が回復してきた私は

しまった…と、顔が紅くなった。


あっ…いけない。

長湯してると思われちゃいけない。

私は気を取り直すと

換気扇のスイッチを押して

電気を消すと

バッグを持ってリビングに戻った。


すると、何だか美味しそうな

いい匂いが鼻を掠めた。
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