【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
ギュッと抱き締められて
氷室部長の体温を服越しに感じた。
部長の心臓の音が
“ドクンドクン”と聞こえる。
どうしてかな…。
この優しい温度…。
なぜか…凄く落ちつく…。
駅で助けられて
私を乗せる為に抱き上げられた
あの時と同じ…。
初対面なのに凄く優しくて安心した
あの時と同じくらい安心する。
キスも…嫌じゃなかった。
でも……。
「…氷室部長…離して下さい。」
離れようと身を捩る私に
氷室部長は抱き締める腕を緩めると
私を不安気な顔で覗き込んだ。
「…野村さん…。
俺の事…嫌いなのか?
まだ、笠置が好きか?…未練あるか?」
……笠置。
満君の名前にドキッとした。
「…あっ…あの…私。」
「…どうした?」
私を見つめる氷室部長の瞳に
ドキッとする。
飲み込まれてしまいそうになる。
でも、言わなきゃ……。
「…あの。」
私はゆっくりと口を開いた。
「私は、『別れよう』って言って
立ち去りましたけど…正式にまだ…。
満君から『わかった』って
聞いてないから…その…別れ話に
合意してない…。」
一方的に言って逃げてきた。
電話も出ていない。
メールも送っていない。
今どうしているのかわからない。
探しているのかもわからない。
だから今こうして
氷室部長のマンションにいて
抱き締められて
キスした私は満君と
同じ立場にいるんじゃないかって…。
2人を責められる立場では
なくなったんじゃないかって…。
氷室部長の体温を服越しに感じた。
部長の心臓の音が
“ドクンドクン”と聞こえる。
どうしてかな…。
この優しい温度…。
なぜか…凄く落ちつく…。
駅で助けられて
私を乗せる為に抱き上げられた
あの時と同じ…。
初対面なのに凄く優しくて安心した
あの時と同じくらい安心する。
キスも…嫌じゃなかった。
でも……。
「…氷室部長…離して下さい。」
離れようと身を捩る私に
氷室部長は抱き締める腕を緩めると
私を不安気な顔で覗き込んだ。
「…野村さん…。
俺の事…嫌いなのか?
まだ、笠置が好きか?…未練あるか?」
……笠置。
満君の名前にドキッとした。
「…あっ…あの…私。」
「…どうした?」
私を見つめる氷室部長の瞳に
ドキッとする。
飲み込まれてしまいそうになる。
でも、言わなきゃ……。
「…あの。」
私はゆっくりと口を開いた。
「私は、『別れよう』って言って
立ち去りましたけど…正式にまだ…。
満君から『わかった』って
聞いてないから…その…別れ話に
合意してない…。」
一方的に言って逃げてきた。
電話も出ていない。
メールも送っていない。
今どうしているのかわからない。
探しているのかもわからない。
だから今こうして
氷室部長のマンションにいて
抱き締められて
キスした私は満君と
同じ立場にいるんじゃないかって…。
2人を責められる立場では
なくなったんじゃないかって…。