【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
*****

私は今一人で

氷室部長の自宅マンションにいる。


あの後

「…今日は俺、休日出勤なんだ。
でも…なるべく早く帰宅する。
だから、昨日も言った通り
羽美花はここにいろよ?」

氷室部長が作ってくれた

朝食を摂りながら

「…テレビやDVD、パソコン
何でも自由に見てくれていい。
洗濯機も使いたければ使え。
昼食は適当に作って食べてくれ。
出来れば…夕飯を作って欲しい。
足りない物や欲しい物あれば
何かあれば、必ず連絡しろ。
…いいな?」

と、部長は私をジッと見た。

「…はい。」

と、そう答えるしかなかった。

その後身支度をして

スーツ姿に着替えた

氷室部長の首には

プレゼントしたネクタイが

締められていた。

思ったよりも良く似合っていて

「…似合います。部長。」

思わず溢れた本音に

「…ありがとう。行って来るよ。
何かあれば、遠慮なく連絡しろ。
…但し、くれぐれも
アイツ達とは連絡を取るなよ。
…羽美花は俺の事さえ考えていれば
いいんだからな?」

そう言って

私を抱き締めて深いキスをした後

氷室部長は出勤していった。

『帰るな』と言われてしまうと

拒否出来なかった。

あの瞳は凄い威力がある。

実際にアパートに戻っても

満君が来てるかもしれなかったし

もし自分のアパートで

一人で過ごしていたら

きっとまた泣いてたかもしれないから

氷室部長の強引さに

実は救われたのかもしれない。

満君から着信はまた何度かあったけど

私は約束通り出る事はせず

テレビや洗濯をして過ごした。

あっと言う間に時間は過ぎていき

私は冷蔵庫にある食材で夕飯を作った。

18時頃に帰宅した部長は

凄く嬉しそうな顔をして

「美味い!」

と言って喜んで食べてくれた。


そして、この日の夜も

氷室部長は腕枕をして

私を抱き締めて

たくさんのキスを落とした。

優しい体温に包まれて

うっとりと心地良い腕の中で

私は眠りについた。






































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