【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
*****
その後
高速を降りて一般道へ入った
氷室部長の運転する車は
ある目的地の駐車場に着いた。
「…早く家を出て正解だったな。
さあ。着いたぞ。」
氷室部長は車を停めると
私をチラリと見て
「…どこかわかるか?」
と、優しく微笑んだ。
「………ここって。」
驚きながら部長を見ると
「…来てみたかったんだろ?
さあ、降りるぞ。」」
そう言って部長は
車のドアに手をかけた。
その場所とは
今年の夏にオープンしたばかりの
大型ショッピングモールだった。
亜美ちゃんは秋に彼氏ができて
一緒に行ったと言ってて
花菜子と私はまだだから
『いつか行きたいね。』と話してた。
満君にも話してたけど
『ああ、また行こうな。』
と、言われたまま叶わなかった場所。
車を降りて外観をジッと見ていた
私の前に氷室部長が近づいた。
「…菊田や下里達と
『行きたい』と話していたのも
アイツとはまだ行ってない事も
社食で話していたのを
近くで聞いた事があった。」
…えっ!?
いつのまに聞いてたの!?
目を見開いた私に
「…今日はどうしても
羽美花と過ごしたいと思ってたし
あの部屋に閉じ籠ってるのも
辛いだろうと思ったから
ここなら遠いし
羽美花が行きたいと言ってたし
なら、俺が連れて行ってやりたいって
羽美花の為に…昨日、頑張って
仕事を全て調整したから…。」
そう言って
部長は右手を差し出した。
「…行こうか?羽美花。」
私は左手を出して
「…ありがとうございます。」
と、笑顔を浮かべてお礼を言った。
「…どういたしまして。
そうやって…笑ってろ。」
と言って、部長は私の手を握ると
「…行くよ。」
と、手を引いて歩き出した。
話を聞かれていたのは驚いたけど
私の為に仕事を調整してくれた
部長の気遣いと優しさに
嬉しくて涙が溢れそうになった。
でも、笑顔に変えて
私も一緒に歩き出した。
外は寒いけど
繋がれたその手は温かかった。
その後
高速を降りて一般道へ入った
氷室部長の運転する車は
ある目的地の駐車場に着いた。
「…早く家を出て正解だったな。
さあ。着いたぞ。」
氷室部長は車を停めると
私をチラリと見て
「…どこかわかるか?」
と、優しく微笑んだ。
「………ここって。」
驚きながら部長を見ると
「…来てみたかったんだろ?
さあ、降りるぞ。」」
そう言って部長は
車のドアに手をかけた。
その場所とは
今年の夏にオープンしたばかりの
大型ショッピングモールだった。
亜美ちゃんは秋に彼氏ができて
一緒に行ったと言ってて
花菜子と私はまだだから
『いつか行きたいね。』と話してた。
満君にも話してたけど
『ああ、また行こうな。』
と、言われたまま叶わなかった場所。
車を降りて外観をジッと見ていた
私の前に氷室部長が近づいた。
「…菊田や下里達と
『行きたい』と話していたのも
アイツとはまだ行ってない事も
社食で話していたのを
近くで聞いた事があった。」
…えっ!?
いつのまに聞いてたの!?
目を見開いた私に
「…今日はどうしても
羽美花と過ごしたいと思ってたし
あの部屋に閉じ籠ってるのも
辛いだろうと思ったから
ここなら遠いし
羽美花が行きたいと言ってたし
なら、俺が連れて行ってやりたいって
羽美花の為に…昨日、頑張って
仕事を全て調整したから…。」
そう言って
部長は右手を差し出した。
「…行こうか?羽美花。」
私は左手を出して
「…ありがとうございます。」
と、笑顔を浮かべてお礼を言った。
「…どういたしまして。
そうやって…笑ってろ。」
と言って、部長は私の手を握ると
「…行くよ。」
と、手を引いて歩き出した。
話を聞かれていたのは驚いたけど
私の為に仕事を調整してくれた
部長の気遣いと優しさに
嬉しくて涙が溢れそうになった。
でも、笑顔に変えて
私も一緒に歩き出した。
外は寒いけど
繋がれたその手は温かかった。