【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
*****
そして、翌年の春。
野村羽美花はSコーポレーションに
入社して、システム部に配属された。
笠置は彼女を溺愛しているのか
A社に来る度に惚気話をしてきた。
俺は平静を装って
適当に話を流して聞いていたが
彼女が笠置を高校時代から想っていた事。
何度か食事に出掛けていた事など
昔の彼女を知っている笠置の事が
羨ましく感じるとともに
俺と初めて出会った頃には
既に彼女の心は笠置を想い
あの美しい瞳の中には
常に笠置が映っていたのか。
この男なら、彼女が惚れるのもわかる。
友人の妹ならなおさら縁も強い。
もう、心の隙間に入る事も出来ない。
しかも俺は一度結婚に失敗している。
俺はやはりもう誰も愛せないのか。
好きな人から愛される事からも
見放されているのかもしれない。
仕方ないと思いながらも
なぜか心の中で
煮えきれないモヤモヤがあった。
そして、そんな俺に
Sコーポ人事課の正田は
「…俺は笠置より
断然氷室課長を応援します!!
半年後にA社で行われる
新人研修で会えますよ。」
と、別に何も言っていないのに
なぜか野村羽美花の情報を
教えたがるのだった。
「…後輩の彼女の情報などいらない。」
そう言いながらも、俺の中では
彼女に会える期待と
彼女の成長している姿を見てみたい。
俺を覚えていてくれるだろうか…。
そんな想いが頭の中を駆け巡った。
そして、翌年の春。
野村羽美花はSコーポレーションに
入社して、システム部に配属された。
笠置は彼女を溺愛しているのか
A社に来る度に惚気話をしてきた。
俺は平静を装って
適当に話を流して聞いていたが
彼女が笠置を高校時代から想っていた事。
何度か食事に出掛けていた事など
昔の彼女を知っている笠置の事が
羨ましく感じるとともに
俺と初めて出会った頃には
既に彼女の心は笠置を想い
あの美しい瞳の中には
常に笠置が映っていたのか。
この男なら、彼女が惚れるのもわかる。
友人の妹ならなおさら縁も強い。
もう、心の隙間に入る事も出来ない。
しかも俺は一度結婚に失敗している。
俺はやはりもう誰も愛せないのか。
好きな人から愛される事からも
見放されているのかもしれない。
仕方ないと思いながらも
なぜか心の中で
煮えきれないモヤモヤがあった。
そして、そんな俺に
Sコーポ人事課の正田は
「…俺は笠置より
断然氷室課長を応援します!!
半年後にA社で行われる
新人研修で会えますよ。」
と、別に何も言っていないのに
なぜか野村羽美花の情報を
教えたがるのだった。
「…後輩の彼女の情報などいらない。」
そう言いながらも、俺の中では
彼女に会える期待と
彼女の成長している姿を見てみたい。
俺を覚えていてくれるだろうか…。
そんな想いが頭の中を駆け巡った。