【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
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「うん、美味いな。」
私が作った夕食を食べながら
咲輝翔さんは優しい顔で私を見た。
「…ごめんなさい。
もっと早くにメールに気づいてたら
もう少し早く着いて
ちゃんと作れたんだけど…。」
謝る私に
「…何言ってるんだ。
良く出来てるし、本当に美味いよ。
羽美花が作ってくれるのは
何でも美味いから
そんなに無理に凝ろうと
してくれなくてもいい。
…それに
仕事をきちんと済ませるのは
大事だから、謝る必要はない。
逆に俺からの強引なお願いを
こうして聞いてくれる
羽美花の気持ちが嬉しいよ。」
そう言いながら箸を休めずに
ご飯を美味しそうに食べてくれる。
そんな彼に私は何度も恋をしている。
こんな一言ですら
本当は凄く嬉しくて仕方ない。
でも、素直に喜ぶのが怖い。
いつも不安ばかりが私に纏わりつく。
本当は聞いて欲しいと思う
彼への色んな想いを押し込めて抑え
「…ありがとう。」
そう言って
控えめに微笑みながら箸を進めた。