【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
さあ、仕事を片付けてしまおう。
明日と明後日は羽美花と過ごす為に…。
一緒に過ごして
彼女の中を俺でいっぱいにしたいから。
明日は行きたいところがある。
クリスマスイブだから
彼女にプレゼントしたいものがある。
俺の『姫』にしたいから。
俺の『天使の花』にしたいから。
そう…俺だけの。
…愛してるよ羽美花。
こんな気持ちにさせる君を
帰ったらすぐに抱き締めたい。
たくさんキスをしたい。
君と初めて会った日から
君を助けたあの日から
俺は君を想っていたよ。
もう誰も愛せないと思い
誰も好きになる資格はないと思い
人を愛する事を諦めた。
自分に蓋をして生きてきたのに。
君が気になって仕方なかった。
俺の心は隙間がないぐらい
君への愛がいっぱいだ。
笠置の彼女だとわかっていても
アイツなら仕方ないと思いながらも
ずっと好きだった。
ずっと愛していた。
君を諦められなかった。
だけど、奇跡が舞い降りた。
俺は強引ながら君を手に入れた。
美しく、可愛い俺だけの『天使の花』
いや…俺だけの『天使の姫花』
もう…離さないよ。
その証を明日あげるから。
俺の独占欲を君に教えてあげるから。
君を泣かせたアイツを俺は許さない…。
二度と近づけないから。
ねえ…羽美花。
君は俺の事だけ考えてくれればいい。
俺にだけ笑ってくれればいい。
俺だけを愛してくれればいい。
俺の心にだけ
たくさんの愛の花を咲かせて欲しい。
君の心の中を
俺以外のヤツが入る余裕がないほど
俺の愛が、俺への愛が
ずっと美しく咲き誇って欲しいんだ。
いつか『愛してる』と
言って貰えるように時間をかけてでも
優しく、熱く、蕩けるくらい
俺が好きだった証を君に刻み込むよ。
ああ…早く会いたい。
抱き締めたい…キスしたい。
今日は夕食を頼んだから
初めて食べる彼女の手料理が
今からとても楽しみだ。
俺はもう一度ネクタイを撫でて
彼女を想った。
(その翌日
彼女と心と体が繋がり
一つに溶け合う事を
この時の俺はまだ知らない。)
〜氷室咲輝翔Side〜