【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
だって…あんなに素敵な人が
私の彼氏だなんて
1年半も交際していても
まだどこかで気持ちが落ち着かない。
あの広報アルバイトの女の子も
しつこく迫るくらい
他の女性社員も放っておかないくらい
魅力的な咲輝翔さん。
営業だから当然
取引先の女性社員にも人気はある。
賢い上に、実力は折り紙付きだから
Sコーポレーションに
引き抜かれる前に在籍していた
子会社での過去の営業成績も
常にトップを維持していたと
言うのは有名な話。
そんな非の打ち所がない彼が
告白されてるところを見たのは
別にあれが初めてじゃない。
私と交際する以前から
『氷室部長の再婚相手にして下さい。』
と、堂々と告白してた人を
何人か見てきた。
その女性社員に向かって
「…再婚の気はない。
くだらない事を考えるほど
浮ついてる暇がある奴は
この会社には必要ない…迷惑だ…。」
低く冷たい声で言い放った彼の言葉が
私の頭の片隅で今も引っかかる。
今はどうなのかなんて聞けない。
そうこう考えているうちに
彼がお風呂からリビングに戻ってきた。