【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
*****

翌日

「…羽美花?…ちょっと大丈夫?」

ボーッとしていたらしい私は

花菜子に話しかけられ

「…えっ!?はっ!?
……あっ、ごめん…何だったっけ?」

慌てて花菜子に視線を向けた。

「…大丈夫?…って言っても
こんなに噂されたり、興味本位で
見られてると無理ないかな?」

花菜子は肘をつきながら私を見た。

…昼休み。

昨日聞けなかった人事課からの説明や

満君と豊島さんに関連する話を

花菜子は話してくれた。



満君と豊島さんの浮気行為は

証拠写真により確定し

2人は25日に呼び出され

事情聴取の末に全て認めた。

総務部は2人が嘘をつき

約束を破った悪質さを遺憾とした。

そして、豊島さんの満君に対する

好意的な想いを事前に察知していながら

出向を手助けし、疑惑発覚後も

事態を揉み消していた

経理部長にも監督責任不行きを

厳しく指摘した。


その結果、正式な処分が下るまでは

3人を自宅謹慎処分に

経理課長は厳重注意と3月分まで

毎月10%の減給処分となった。

豊島さんの正式な処分は

C社に委ねられるが

満君と経理部長は

Sコーポの子会社又は関連会社への

異動が避けられないらしい。


綿貫さんは昨日から主任代行となり

1月15日付には正式に主任になる事が

決まったとの事だった。

「…綿貫さんはもうやる気満々だよ。
『笠置さんに主任職を先越されたの
本当は悔しがってたから
人事課の正田さんとつるんで
敵対心もってたんじゃないか』って
産休中の高見さんに話したら
『薄々気づいてた』らしいよ。
『そのうち何かあるんじゃないかって
予感してた』って。
私は意外過ぎて驚いたけど。」

花菜子はお弁当の蓋を閉めると

「…羽美花…何だか上の空ね。
何だか、もう笠置さんの事なんて
どうでも良さそうに感じているように
見えるんだけど…違う?」

その指摘に私は“ドキッ”として

「…ゴホッ、ゴホッ。」

飲んでいたお茶が変な所へ入り

噎せてしまって咳き込んだ。




< 202 / 320 >

この作品をシェア

pagetop