【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
自他共に

人間観察が得意だと認める

亜美ちゃんも鋭いけど

花菜子も友人歴が長いからか意外と鋭い。

何だか服越しに見られているようで

恥ずかしくなってしまう。

紅くなりそうな私に

「…人少ないから言わせて貰うけど
指輪の他にもネックレスが違ってたし
それに…膝上どちらともに
うっ血したような痕がチラリと見えた。
あと…腕の内側にもうっ血が見えた。」

彼女はサラリと言い当てた。

「……。」

否定も肯定もしない私に

「…私ね、何となくだけど
その指輪とネックレスをプレゼントして
羽美花に華を咲かせた人…わかる。」

「…えっ!?」

驚いた私に

「…わかるけど、名前は言わない。
羽美花はいつも否定してたけど
その人が羽美花を好きじゃないかって
亜美ちゃんがよく言ってたのは
強ち間違いじゃないと
私も薄々思ってはいた。
…でもいつの間にどんな経緯で
そうなったのかが
私は不思議で堪らないけど
羽美花は今もうその人にかなり
心奪われているんじゃないかって
いや…その人が
奪ったのかもしれないね。」

と言って彼女は抹茶ティーを飲み干した。


心奪われたかどうかはわからないけど

昨日の行為が…彼の言動が、表情が

私の胸を締め付ける。

仕事以外の時はつい考えてしまう。



『羽美花は俺だけ見てればいい。』

『離れるなんて許さない。』

『俺の前から消えないでくれ。』

『もう傷つくのは俺だけでいい。』など


私の全身に華を咲かせながら

彼は私が意識を飛ばすまでずっと

顔を歪ませながら荒い声で

何度も私に囁いていた。


だけど、目を覚ました私を見て

「…悪かった。大人気なかった。
本当にごめん。」

と私の頭を撫でながら

優しい声で何度も謝ってくれた。


そして

「…今日から年明けまで会わない。」

朝食時にいきなり言われた。

「何でですか?」と聞いても

「…仕事だ。
年末年始であろうと家で仕事が出来る。
こちらから連絡するまでしないでくれ。
…あっ、それと笠置に会って
決着つけたいなら自由にしてくれ。」

あんなに接触を拒否していたのに

180度変わっていた。

それ以上何も言って貰えず今に至る。




























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