【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
タオルを首からかけて
黒のタンクトップと
下はスエット姿の咲輝翔さんは
私のいるキッチンに入って
冷蔵庫からミネラルウォーターを
取り出すと、グラスに注いで
ゴクゴク飲み干した。
シャープな顎のラインと
意外と筋肉質で逞しい腕。
会社では絶対見る事は出来ない
お風呂あがりの彼にドキドキして
目のやり場に困る。
いつのまにか洗い物も済んで
炊飯器のタイマーセットも済ませた
私は目を少し逸らして俯きながら
ひかけていたタオルで手を拭いた。
すると彼はグラスを私の近くに置いた。
そして
「……羽美花。」
呟きながらそっと
後ろから私を抱き締めた。
私の肩に彼の顎が置かれ
頬に彼の髪が触れて少しくすぐったい。
両腕は移動されて
私のお腹のところで組まれた。
まだ温かい彼から
シャンプーとボディソープの匂いが
フワッと香った。
「…咲輝翔さん。
私、まだお風呂行ってないですよ。
だから抱きつかない方が…。」
そう言いかけた私に
「…構うもんか。」
彼の言葉が遮った。