【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
『高熱を出しておられる上に
極度のストレスによる神経性胃炎を
起こしかけておられると思います。
それに、最近ちゃんと
食べておられなかったみたいですね?
栄養失調の疑いもあります。
お若いとは言え、そんな無茶されては
倒れて当然です。
点滴が終了しましたら
帰宅して頂いてかまいません。
お薬出しておきます。
食事は少しずつでも摂って下さい。
では、お大事に。』
高熱、ストレス、神経性胃炎
おまけに栄養失調も…だなんて…。
ベッドに寝かされ
左腕に点滴をされた状態で
まだ少しだけボーッとする頭の中
私は改めて自分自身をここまで
痛めつけていた事に気づいた。
傷ついて泣いていた心の花々のSOSに
悲鳴を上げた体が
警告を出した結果だった。
医師と看護師が出て行った後
私は、どうして茉優莉先輩が
ここにいるのかが気になった。
「…茉優莉…先輩
ありがとうございます。
でも、あの…どうして?」
すると
「…夫から電話があったの。
『野村さんが倒れて
今から荒井さんと茅部君と菊田さんの
4人でA病院まで運ぶけど
『俺達の代わりに
サキ兄が来るまで付き添いを頼む。』
ってお願いされたの。」
ベッドの横の椅子に先輩が座った。
「…すいませんでした。
ご迷惑おかけして…。」
頭を下げた私に
「…いいのよ。
私は今は家にいるし
羽美花ちゃんが目覚めた時に
誰もいないのは心細いもんね。」
先輩は笑みを浮かべてくれた。
でも、さっきの会話の中で
『サキ兄』と聞こえたのを思い出した。
「…咲…氷室部長…は
この事を知ってるんですか?」
「…ええ。夫が電話したわ。
氷室部長にちゃんと繋がったわ。
『切り上げてすぐに帰る』って。」
「……えっ?」
「…部長だいぶん動揺してたみたいよ。
『茉優莉がついてるから落ち着け』って
夫が宥めたって。
『あんなに動揺した声のサキ兄は
珍しいって…。』
…羽美花ちゃん、愛されてるのね?」
先輩がニッコリ微笑んだ。
…『愛されてる』って…。
私はでも…。
黙ってしまった私に
「…話はだいたい夫や
花菜子ちゃんに聞いたわ。
…大変な目に遭わされたのね。
辛かったね。」
先輩が私の右手にそっと手を重ねた。
極度のストレスによる神経性胃炎を
起こしかけておられると思います。
それに、最近ちゃんと
食べておられなかったみたいですね?
栄養失調の疑いもあります。
お若いとは言え、そんな無茶されては
倒れて当然です。
点滴が終了しましたら
帰宅して頂いてかまいません。
お薬出しておきます。
食事は少しずつでも摂って下さい。
では、お大事に。』
高熱、ストレス、神経性胃炎
おまけに栄養失調も…だなんて…。
ベッドに寝かされ
左腕に点滴をされた状態で
まだ少しだけボーッとする頭の中
私は改めて自分自身をここまで
痛めつけていた事に気づいた。
傷ついて泣いていた心の花々のSOSに
悲鳴を上げた体が
警告を出した結果だった。
医師と看護師が出て行った後
私は、どうして茉優莉先輩が
ここにいるのかが気になった。
「…茉優莉…先輩
ありがとうございます。
でも、あの…どうして?」
すると
「…夫から電話があったの。
『野村さんが倒れて
今から荒井さんと茅部君と菊田さんの
4人でA病院まで運ぶけど
『俺達の代わりに
サキ兄が来るまで付き添いを頼む。』
ってお願いされたの。」
ベッドの横の椅子に先輩が座った。
「…すいませんでした。
ご迷惑おかけして…。」
頭を下げた私に
「…いいのよ。
私は今は家にいるし
羽美花ちゃんが目覚めた時に
誰もいないのは心細いもんね。」
先輩は笑みを浮かべてくれた。
でも、さっきの会話の中で
『サキ兄』と聞こえたのを思い出した。
「…咲…氷室部長…は
この事を知ってるんですか?」
「…ええ。夫が電話したわ。
氷室部長にちゃんと繋がったわ。
『切り上げてすぐに帰る』って。」
「……えっ?」
「…部長だいぶん動揺してたみたいよ。
『茉優莉がついてるから落ち着け』って
夫が宥めたって。
『あんなに動揺した声のサキ兄は
珍しいって…。』
…羽美花ちゃん、愛されてるのね?」
先輩がニッコリ微笑んだ。
…『愛されてる』って…。
私はでも…。
黙ってしまった私に
「…話はだいたい夫や
花菜子ちゃんに聞いたわ。
…大変な目に遭わされたのね。
辛かったね。」
先輩が私の右手にそっと手を重ねた。