【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
今から12年前。
高校を卒業した俺は、実家を離れて
第一志望だった関西の大学に進学した。
その入学前に行われた説明会の会場で
俺は隣に座っていた女性が気になり
また会えたらいいなと
軽い気持ちで思っていた矢先
偶然にも入学式で
その女性は俺の隣に座った。
そして、その女性は
「…説明会でもお隣でしたね?
覚えてますか?」
と、俺に声をかけてくれた。
その微笑みを見てしまった俺は
一目で恋に落ちた。
女性の名前は
甲田静花(こうだ・しずか)
偶然が重なり
彼女は同じ学部・学科だった。
「よろしくね。」と差し出された
白くて美しい手を握った時
俺は初恋をしたガキのような
そんな緊張感が全身に走った。
彼女が好きになった俺は
男友達の一人として
いつか告白するタイミングを
見計らいながら接していたが
その想いを伝える事は出来なかった。
彼女に最愛の彼氏が出来たからだった。
その男の名前は
戸叶肇(とかの・はじめ)
偶然にも同じ小学校に通い
5,6年生の時同じクラスだった。
卒業と同時に父親の転勤で
戸叶は関西に引っ越したとは
他の友人経由で聞いていたが
大学入学後に
「…氷室君だろ!?
俺覚えてる!?戸叶だよ!!」
と、声をかけられてから
学科は違ったが、同じ学部だった為に
同じ講義を受ける機会も多く
懐かしさに拍車がかかり
自然と仲良くなっていた。
そんな中で
「甲田静花に告白されたから
付き合う事になったよ。
俺、知らなかったけど
彼女と同じ高校だったらしくて
『ずっと戸叶君が好きだった』って
言われたよ。」
と、俺に話して来た時
失恋したと言う現実に
ショックを受けたが
男の俺から見ても
戸叶は優しくていい男だ。
小学校時代からその優しさは
変わっていなかった。
甲田が惚れるのもわかる気がした。
失恋はまだ癒えないけど
2人の仲を友人として見守っていこうと
俺は普段通りに接していた。
でも、2人が仲良くなればなるほど
もどかしい想いが俺の胸を締め付けた。
戸叶は俺の甲田への気持ちに
勘付いていたのか
遊びや飲みに行く際に
時々俺も誘ってくれるようになった。
仲のいい姿を見るのは辛かったが
3人での交流は楽しかった。
やがて、俺は甲田から“静花”と
呼ばせて貰えるようになり
叶わぬ恋でも俺は純粋に嬉しかった。
高校を卒業した俺は、実家を離れて
第一志望だった関西の大学に進学した。
その入学前に行われた説明会の会場で
俺は隣に座っていた女性が気になり
また会えたらいいなと
軽い気持ちで思っていた矢先
偶然にも入学式で
その女性は俺の隣に座った。
そして、その女性は
「…説明会でもお隣でしたね?
覚えてますか?」
と、俺に声をかけてくれた。
その微笑みを見てしまった俺は
一目で恋に落ちた。
女性の名前は
甲田静花(こうだ・しずか)
偶然が重なり
彼女は同じ学部・学科だった。
「よろしくね。」と差し出された
白くて美しい手を握った時
俺は初恋をしたガキのような
そんな緊張感が全身に走った。
彼女が好きになった俺は
男友達の一人として
いつか告白するタイミングを
見計らいながら接していたが
その想いを伝える事は出来なかった。
彼女に最愛の彼氏が出来たからだった。
その男の名前は
戸叶肇(とかの・はじめ)
偶然にも同じ小学校に通い
5,6年生の時同じクラスだった。
卒業と同時に父親の転勤で
戸叶は関西に引っ越したとは
他の友人経由で聞いていたが
大学入学後に
「…氷室君だろ!?
俺覚えてる!?戸叶だよ!!」
と、声をかけられてから
学科は違ったが、同じ学部だった為に
同じ講義を受ける機会も多く
懐かしさに拍車がかかり
自然と仲良くなっていた。
そんな中で
「甲田静花に告白されたから
付き合う事になったよ。
俺、知らなかったけど
彼女と同じ高校だったらしくて
『ずっと戸叶君が好きだった』って
言われたよ。」
と、俺に話して来た時
失恋したと言う現実に
ショックを受けたが
男の俺から見ても
戸叶は優しくていい男だ。
小学校時代からその優しさは
変わっていなかった。
甲田が惚れるのもわかる気がした。
失恋はまだ癒えないけど
2人の仲を友人として見守っていこうと
俺は普段通りに接していた。
でも、2人が仲良くなればなるほど
もどかしい想いが俺の胸を締め付けた。
戸叶は俺の甲田への気持ちに
勘付いていたのか
遊びや飲みに行く際に
時々俺も誘ってくれるようになった。
仲のいい姿を見るのは辛かったが
3人での交流は楽しかった。
やがて、俺は甲田から“静花”と
呼ばせて貰えるようになり
叶わぬ恋でも俺は純粋に嬉しかった。