【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
***
あの光景は今でも覚えてる。
課題の件で教授に質問があった俺は
要件を済ませると
戸叶が待つ教室へ向かっていた。
ドアを開けようとした時
「…嫌よぉ…寂しいよぉ…。」
女性が涙ながらに話す声が聞こえた。
その声に見当はついていた。
「ねえ、肇…どうしてよぉ…。
関西の企業に行く….って
言ってたじゃない…。
約束したじゃない…。
なのに…どうして…関東なのよ…。
嫌よ…私…離ればなれだなんて…。」
静花の声だった。
俺はいけないと思いながらも
そっとそのドアを開いた。
微かな隙間から
静花と戸叶の姿が窓の側に見えた。
静花は戸叶のシャツを握り締めながら
縋るように泣いていた。
戸叶はそんな静花を
そっと抱き締めていた。
「…仕方がないよ。
俺も関西本社を希望していた。
それは知ってるだろ?
だけど、関東支社に決まってしまった。
俺だって…静花と離れたくないよ。
でも、俺はどうしても
あの会社に行きたいんだ…。
だから…関東に行くよ。」
でも、静花は泣きながら
「…寂しいよ。
私…どうしたらいいの?
肇がいないなんて……。」
と、戸叶に縋っていた。
そんな彼女を
「…大丈夫だよ…静花。
俺も暇を見つけては会いに行くし
お前も関東に来いよ…。
氷室だって静花と会社が近いから
良い相談相手になってくれるはずだ。
俺には遠慮なく電話だって
メールだってしてきたらいいし…。
俺達は何年も付き合ってきたんだから
離れていても一緒だよ…。」
「…はじ…め。」
「…好きだよ。」
そう言って戸叶の顔が近づくと
2人の唇が重なった。
彼女が戸叶の首に腕を回して
2人は抱き締めあって
どんどんキスが深まっていた。
「…はぁ。」
ため息をつきながら
俺はそっとドアを閉めると
教室を後にして廊下を進んだ。
あの光景は今でも覚えてる。
課題の件で教授に質問があった俺は
要件を済ませると
戸叶が待つ教室へ向かっていた。
ドアを開けようとした時
「…嫌よぉ…寂しいよぉ…。」
女性が涙ながらに話す声が聞こえた。
その声に見当はついていた。
「ねえ、肇…どうしてよぉ…。
関西の企業に行く….って
言ってたじゃない…。
約束したじゃない…。
なのに…どうして…関東なのよ…。
嫌よ…私…離ればなれだなんて…。」
静花の声だった。
俺はいけないと思いながらも
そっとそのドアを開いた。
微かな隙間から
静花と戸叶の姿が窓の側に見えた。
静花は戸叶のシャツを握り締めながら
縋るように泣いていた。
戸叶はそんな静花を
そっと抱き締めていた。
「…仕方がないよ。
俺も関西本社を希望していた。
それは知ってるだろ?
だけど、関東支社に決まってしまった。
俺だって…静花と離れたくないよ。
でも、俺はどうしても
あの会社に行きたいんだ…。
だから…関東に行くよ。」
でも、静花は泣きながら
「…寂しいよ。
私…どうしたらいいの?
肇がいないなんて……。」
と、戸叶に縋っていた。
そんな彼女を
「…大丈夫だよ…静花。
俺も暇を見つけては会いに行くし
お前も関東に来いよ…。
氷室だって静花と会社が近いから
良い相談相手になってくれるはずだ。
俺には遠慮なく電話だって
メールだってしてきたらいいし…。
俺達は何年も付き合ってきたんだから
離れていても一緒だよ…。」
「…はじ…め。」
「…好きだよ。」
そう言って戸叶の顔が近づくと
2人の唇が重なった。
彼女が戸叶の首に腕を回して
2人は抱き締めあって
どんどんキスが深まっていた。
「…はぁ。」
ため息をつきながら
俺はそっとドアを閉めると
教室を後にして廊下を進んだ。