【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜

「…結婚！？」

彼女は凄く驚いた。

暫く考え込んだ後

「…考えさせて。」

と、返事を保留されたが

数日後に彼女から返事が貰えた。

『条件があるの…。』

と言われて、話を聞いた。

『来年の年明け早々に
エリアリーダーに昇格する事が決定し
責任立場ゆえに仕事を放棄したくない。
今まで通り出張も行くし
さらに仕事量も増える。
すれ違いもあるが、仕事を続けたい。』

『家事は協力し合いたい。』

『携帯を見るなどの
過剰な束縛をしない。』

そして

『仕事したいし、まだ２４歳だから
子どもは今すぐはつくれない。
…それでもいいの？』

と、彼女からいくつか条件提示された。

友人から

『子どもを産んで貰えよ。』

の言葉とは正反対の返答にはなったが

販売員からバイヤー部門へ異動して

最初は大変だと言っていたが

『面白くなってきた』

『契約取れたのよ！！』

『売り上げあがった！！』

『表彰された！！』

と、彼女の口から聞くようになり

エリアリーダーへの憧れも聞いていた。

手に届く寸前の彼女は

ますますやる気が出るはず。

信頼もある。

こればかりは俺だけの問題ではない。

彼女の気持ちも

汲んでやらないとならない。

それに、俺は

戸叶の存在を彼女から消したくて

どうしても結婚したかった。

戸籍に入れてしまいたい。

結婚して貰えるなら

子どもは仕方ないのかもしれない。

「…わかった。
それでもいい…協力し合って
いい家庭を築いていこうな。」

と、俺は条件を受け入れた。

「…ありがとう。
よろしくお願いします。」


静花は俺のプロポーズを受け入れて

結婚をOKしてくれた。


俺は嬉しくて嬉しくて堪らなかった。

これで俺のものになって貰える。

この時の俺は

この先の俺に起こる絶望など

全く予感していなかった。