【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
すれ違っていても

好きでいてくれていると

俺は思ってた。

なのに…。

妻だと思っていたのに

実は正式な妻ではなかった女性と

仲の良かった友人から裏切られ

暗闇に突き落とされた。


「…俺はお前を愛していたのに。
子どももいて、一軒家を見つけて
幸せに暮らしたかったのに。」

そう呟いた俺に

「…ごめんなさい…氷室君。
私はやっぱり、肇が好きなの。
騙していて本当にごめんなさい。
私は…肇と結婚したかった。
肇との赤ちゃんが欲しかった。

肇が離婚成立してから
退職と家を出るタイミングを
常にうかがってた。
…妊娠がわかったのはつい最近だから
意外だったけど
肇の子どもなら…幸せで嬉しい。
肇も喜んでくれてる。
…仕事は好きだったけど
私はそれよりも肇の存在が大切。
肇と結婚出来たから
もう私は肇を離さない。
肇と一緒に暮らせるなら私は
エリアリーダーの座なんていらない。
肇となら…一緒に地獄にでも墜ちる。
永遠に…どこへでもついていく。」


決定的な言葉のとどめを

俺は刺されたようなきがした。

俺は存在も愛も否定された。


俺は彼女に愛されていなかった。

幸せになりたかった願いも

神に誓った永遠の証も

鏡が割れるように全てが無惨に壊れて

無惨に砕け散った。



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