【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
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その後…部屋全体が修羅場化した。
「さっきから聞いていれば、
君達のした事は何だ!
人を馬鹿にしているのか!
息子の優しさを利用して
好きではなかっただと!?
息子を蔑ろにするとは…ふざけるな!
卑怯な事をしてると思わないのか!!」
昔から家族に怒鳴るなんてしない
明るく優しい親父が
目の前の彼女や戸叶に怒りをぶつけた。
肩が小刻みに震え
目にうっすら涙が滲んでいた。
「本当に申し訳ない…。」
泣きながら土下座で謝り続ける
静花の父親
彼女の母親も土下座のまま
嗚咽を漏らして泣いていた。
俺の母親も泣いていた。
「…裏切り者!!
兄さんの今までの想いを
何だと思ってるんですか!!」
夏希も涙を流しながら
2人に食ってかかるように抗議した。
「…すいませんでした。」
戸叶も畳に頭がつくほど
必死に頭を下げていた。
再び俯いたままの静花。
もう無茶苦茶だ…。
怒り狂い、泣き喚き、土下座、謝罪。
こんなはずじゃなかったはずだ。
…一年前の俺が望んでいたのは
こんな光景なんかじゃない。
俺が望んでいたのは
当たり前の幸せだった。
『ただいま』と見送って貰えて
『おかえり』と迎えて貰え
一日の労をねぎらって
心から笑い合って
辛い時は慰め合って、励まし合って
一緒に食卓を囲んで
『美味い』、『美味しい』と言って
一緒に寛いで、テレビを見たり
同じベッドで抱き締めあって眠る。
…平凡でいいから
温かい家庭を築きたかった。
たくさんの花が咲くように…。
明るい光に包まれるように…。
なのに、俺には
天使も女神も微笑んではくれなかった。
永遠の花が咲かなかった。
その後…部屋全体が修羅場化した。
「さっきから聞いていれば、
君達のした事は何だ!
人を馬鹿にしているのか!
息子の優しさを利用して
好きではなかっただと!?
息子を蔑ろにするとは…ふざけるな!
卑怯な事をしてると思わないのか!!」
昔から家族に怒鳴るなんてしない
明るく優しい親父が
目の前の彼女や戸叶に怒りをぶつけた。
肩が小刻みに震え
目にうっすら涙が滲んでいた。
「本当に申し訳ない…。」
泣きながら土下座で謝り続ける
静花の父親
彼女の母親も土下座のまま
嗚咽を漏らして泣いていた。
俺の母親も泣いていた。
「…裏切り者!!
兄さんの今までの想いを
何だと思ってるんですか!!」
夏希も涙を流しながら
2人に食ってかかるように抗議した。
「…すいませんでした。」
戸叶も畳に頭がつくほど
必死に頭を下げていた。
再び俯いたままの静花。
もう無茶苦茶だ…。
怒り狂い、泣き喚き、土下座、謝罪。
こんなはずじゃなかったはずだ。
…一年前の俺が望んでいたのは
こんな光景なんかじゃない。
俺が望んでいたのは
当たり前の幸せだった。
『ただいま』と見送って貰えて
『おかえり』と迎えて貰え
一日の労をねぎらって
心から笑い合って
辛い時は慰め合って、励まし合って
一緒に食卓を囲んで
『美味い』、『美味しい』と言って
一緒に寛いで、テレビを見たり
同じベッドで抱き締めあって眠る。
…平凡でいいから
温かい家庭を築きたかった。
たくさんの花が咲くように…。
明るい光に包まれるように…。
なのに、俺には
天使も女神も微笑んではくれなかった。
永遠の花が咲かなかった。