【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
金曜日….。
その日は私は満君から
「『Sコーポレーションの取引先との
食事会に誘われたから行ってくる。』
って、私は聞いてた。
豊島さんなんて…聞いてないよ。」
確かに私はそう聞いていた。
聞き間違いなはずはない。
私の好きな満君の声で確かに
そう聞いていた。
でも、なぜAホテル?
フレンチレストラン?
豊島さんと2人きり?
花菜子の言葉に
信じられない気持ちが大きく
私は茫然となっていた。
「…笠置主任とは会ってないの?」
私は頷いた。
今日の出張の為の準備だとかで
土日は会うのを辞めていた。
だから、この話も知らなかった。
「…何も聞いてなかったのね。」
私は頷いた。
「…じゃあ、氷室部長が
店内に入っていった事も
聞かされてないのね。」
「…えっ!?…何の事?」
花菜子の言葉に私は驚いた。
「…何の事?氷室部長って…。」
何の事かわからない私に
花菜子はさっきより
若干の笑みを浮かべた。
「…知りたい?」
笑みを浮かべてもったいぶる
花菜子に私は
「何?何よ?…氷室部長が何?」
と、ウズウズしていると
「ごめん、ごめん。話すわね。」
と、花菜子が私の肩に
一瞬だけ手を置いた後
お茶を一口飲んで口を開いた。
「…しばらく、外のガラス窓で皆が
2人の様子を見てたらしいんだけど
急に氷室部長がレストランの店内に
入っていって、2人の座ってる席に
詰め寄っていったんだって。」
「…えっ!?」
私は目を見開いた。