【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
「…な、何ですか!?」
可笑しいのを堪えたような
笑い方をする柴田主任に
私は戸惑った。
「…いや、悪い悪い。
でも、さっきのうーちゃんは
嫉妬が入り混じった
切なそうな顔してたね。
彼氏が今、この場にいて
うーちゃんの顔見たら
きっと嫉妬するんじゃないかな?」
えっ!?と柴田主任を見ると
「あれ!?違った!?
彼氏いるんじゃなかったっけ?」
と、少し驚いた顔をした。
「…あっ、はい…いますけど。」
そう答えた私に柴田主任が
「良かった。間違ってなくて。
でも…さっきの顔は本当に
恋する女の子の顔に見えたからね。
…彼氏がいるなら
うーちゃんは氷室部長に
本気になっちゃいけないよ。
憧れと本気は違うからね。
…それに、あの人はバツイチだから
ハードルは高いよ。」
と、笑いながら言ったその時
「…おい、柴田。
野村さんに余計な事を吹き込むな。
困ってるじゃないか!!」
柴田主任じゃない声がして
私の肩はビクッとなった。
そっと顔を前に向けると
いつの間にか話を終えていた
氷室部長が私達の前に立っていて
私をジッと見下ろしていた。