Light and Dark
「そんなのおかしいじゃないですかっ!知らない人にどうしてそこまでするんですかっ?」
『たとえ知らない人でも、命がある。未来がある』
「愛奈ちゃん……」
同情したのかなんなのか、秀樹は俯いた。
そんな空気の中、湊は瞳を揺らしながらもわたしの目から目を離さない。
『……黒蛇が潰れれば、わたしはどうなるんだろうか』
「っ……」
小さく呟いた言葉は、多分湊にしか聞こえなかった。
その証拠に湊が顔を歪めた。
『わたしはもういい。この命はもう必要のない物だから。……ここから逃げて』
そう言って部屋のクローゼットのところまで行く。
「何を……」
クローゼットを開けて中にある扉の暗証番号を解いて開ける。
「え……?これは……」
これは隠し扉で、助けた人はここから逃がしている。