SOMEHOW
理緒は無理に笑おうとしたのか、微妙な苦笑いをしていた。

なぁ、辛いなら笑うなよ。思いっきり、泣いちまえよ。

理緒は笑ってる顔のが似合うけど・・・無理に笑えなんて言わねぇよ。



「そんな顔すんなよ。」

理緒の辛そうな顔を見るのが辛くて、思わず抱きしめてしまった。

だけど優しく、優しく、壊れ物を扱うように抱いた。

本当はキツく抱きしめたかったけど、そんなことしたら理緒は壊れてしまいそうだったから。

すると理緒はもっと涙を流した。

だから俺は背中をぽんぽんって優しく、優しく叩いた。



「陸みたいに・・・私を想ってくれる人を、好きになれたらよかったのにな・・・。」


まさか理緒がそんなこと言うとは思わなかった。

なぁ、ホントにそう思ったのか?

少しでも俺のことを・・・気にかけてくれたのか?


それなら――・・・




「じゃあ・・・俺を、好きになれよ。」

< 111 / 217 >

この作品をシェア

pagetop