SOMEHOW
「・・・一度だけだよ?」

「あぁ。じゃあ日時と場所は、またメールするから。」



よかった。断られたら、どうしようかと思った。

デートの約束を取り付けた俺は、理緒から離れた。

その瞬間消えた温もり。寂しく感じたけど、また理緒を抱くわけにもいかないし。

また理緒が悲しそうな顔をするのはわかってる。



「うん、わかった。」

「・・・次に会うときは、そんな寂しそうな顔してくんなよ。」



自分で言うのもなんだけど・・・今のは俺、キマってたんじゃね?

振り返りはしなかったけど、今の一言で理緒は少し微笑んだ気がする。

・・・ま、気のせいだろうけど。あんだけ泣いてたんだしな。


でも最後のデートの時くらいは笑顔でいてほしい。

そうしたらきっと、諦めがつくから。






・・・こんな俺につき合わせてごめんな、理緒。
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