SOMEHOW
「えー、教えてくれても良いじゃんー。」

「だめー。それじゃ面白くないだろー?」


・・・なんだか前にもこんなことがあったような・・・あ、裕也君との時だ。

裕也君も行き先を教えてくれなくて。

着いたら海でさ。・・・私の言った何気ない一言を覚えていてくれたり。

・・・って、もう裕也君のことを考えるのはやめようって決めたのに。

今は陸が隣にいてくれるんだから。陸のこと、考えてなきゃ。



「・・・どしたの?眉間に、しわ。」


そういって、私の眉間に人差し指を当てた。

無意識に険しい顔してたのかな。



「「ぷっ」」


人差し指を当てられてるのがなんだかおかしくて、二人して笑ってしまった。

陸は優しい。私がまだ裕也君のことを諦めてないって知っていながら、こうして付き合ってくれるんだから。


私もいつか、陸の気持ちに応えられたらいいな。
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