SOMEHOW
笑おうとしたけど、きっとうまく笑えてないんだろうな。

なんかホント情けないなぁ、私。



「無理して笑うなって、言っただろ・・・?」


陸の声が聞こえた瞬間、私は陸に抱きしめられた。

ホントに・・・陸は優しすぎる。こんなに弱くて迷惑かけてばっかりの私なのに。

陸の温もりに包まれたら、さらに溢れてきた涙。



だけど・・・陸に抱きしめられながらも、思い出すのは裕也君の温もり。

裕也君もこんな風に抱きしめてくれたよね・・・。

どんどん溢れてくる涙。それと共に溢れ出す裕也君との思い出。



「・・・なぁ、今何考えてんだ・・・?」

「えっ・・・?」



陸からそんなことを言われるなんて思ってなくて、驚いて視線を上に向けた。すると陸も私を見つめてた。

私は陸のこの視線・・・何でも見透かしてるようなこの瞳が少し苦手だ。

それに、逸らそうとしても逸らすことが出来ない。
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