SOMEHOW
そのまま陸との距離がだんだんと縮まっていく。

・・・もしかして・・・キス・・・?



「や・・・っ!」


そう思ったら無意識に顔を背けて抵抗してた。

どうしてだろう。陸を好きになろうって・・・そう思ったはずなのに。

裕也君との思い出の方が・・・この場所での裕也君とのキスの記憶の方が強すぎたの?

どんどん涙が溢れてきて、目の前の陸の顔ですらぼやけてきた。



「あ・・・っごめん・・・ね・・・っ。」

「いや、俺も突然・・・悪かった。」



ぼやけて見えないけどすごく寂しそうな顔してる気がした。

・・・ごめんね、私がそんな寂しそうな顔にしてるんだよね。

陸はそんな私に頭に手でポンッと一回軽く叩いて、


「少し寒くなってきたし、帰ろうか。」


って言ってくれた。陸の優しさが、今は寂しく感じた。

でも、私が感じてる以上に陸のが寂しいよね・・・辛いよね。



ごめんね。ごめんね。



私は心の中で何度も謝ることしか出来なかった。
< 131 / 217 >

この作品をシェア

pagetop