SOMEHOW
時間がたつにつれてどんどん緊張が増してきた。

どうしよう。こんなんじゃ裕也君と上手く喋れない･･･っ！



耳に大きく扉を開く音が響いて、視線をそこに向けると立っていたのは裕也君。


｢呼び出したくせに遅いよー。｣


私は緊張を飛ばすために笑いながら冗談っぽく言ってみた。

すると裕也君も少し笑みを見せてくれた。

こんな風に笑いあうなんて、いつぶりだろうね。

つい最近まで、連絡すら取り合ってなかったのに。

なんだか懐かしさが心に生まれて、少しだけ緊張が消えた気がした。


｢待たせてゴメン。｣

｢いいよ。それより話って何なの？｣


不思議と軽い雰囲気で話すことが出来た。

さっきまであんなにも緊張してたのになぁ。

なんでだろう。

裕也君の雰囲気が、そうさせてくれたのかな。
< 186 / 217 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop